我が家では精神障害者である父親に訪問看護を依頼しました。
精神科の訪問看護とは何か?自宅でいったいどういう看護をしているのかを、患者の家族目線でお伝えします。
訪問看護と訪問介護の違い
訪問介護はわりとよく聞く言葉ですが、訪問看護というのがあるのをご存じでしょうか?
訪問看護とは、病気や障害をもつ方への支援サービスです。
訪問介護と訪問看護の違いは、そのサービスの内容や従事する人です。
一方はホームヘルパーさん、一方は看護師だったりします。
訪問介護は身体介護などの生活援助が中心、訪問看護は病気の経過観察など診療補助が中心といった違いがあります。

国家資格を持った看護師さんが来てくれる訪問看護サービスの方が医療行為に近いイメージだね!
訪問看護のサービス内容は、日常生活の援助や症状の観察、服薬管理と説明されていることが多いです。
精神疾患の訪問看護
私の父親は統合失調症です。
ついでにいうと、母親も統合失調症でしたが、自殺しました。
なので、娘の私が小学生の頃から、ずっと統合失調症の父親と二人で暮らしてきました。
父親の症状としては、仕事をしているときは割とひどく、自宅で幻聴に対して一人で発狂して怒鳴り散らしていることもよくありました。
しかし、働くのを諦めると、ストレスの原因が減ったからなのか、以前より発狂する回数は減りました。
それでも、しんどそうにしていることが多かったです。
普段は、月に一度精神科に通院して、週に何回かデイケアサービスに通うという療養方法をとっていました。
幸い病識があって、通院も服薬も本人が一人でできるため、私が病気に対してやることとしては、たまに幻聴に惑わされて発狂しているときに「頓服薬飲んでおとなしく寝ててね」と促すくらいでした。
精神障害者が訪問看護を受けるには
しかし、娘の私の結婚が決まり、状況が変わりました。
私は実家を出るので、父親は一人暮らしになってしまいます。
とはいえ、私たち親子は、現状のまま通院とデイケアのみでいいと思っていました。
父親がきちんと一人暮らしできるように、事前に対策を整えていたからです。
しかし、父親がデイケアの方にふと、娘が結婚して家を出るという話をしたところ、念のため主治医に報告しておきましょうということになりました。
普段会わない主治医に会えるいい機会だしと思い、私もその月の診察に参加することにしました。
父親と一緒に主治医の診察を受けたのですが、そこで訪問看護サービスを受けることを提案されました。
私は最初、



そんな大げさな!一人でも生活できるし大丈夫だよ!
みまもりカメラも付けたし!
と思っていたのですが、病状が悪化してからでは遅いというお医者さんの考えもあるのでしょう。
結局、訪問看護サービスを受けることになりました、
また、病院では精神保健福祉士の方ともお話しできました。
心配だった親の老後のことを聞いたりできてよかったです。



こういう家族が相談できる支援サービスがあったんだね!私が中高生の時に教えてくれ!!
あとは薬も訪問配達になりました。薬の説明や本人が服薬管理できているかを見てくれています。



父親は服用する薬がかなり多くて、薬局での待ち時間が多かったから便利!
精神科の訪問看護の内容
こうして、我が家では、精神疾患の父親のために週に1,2回の訪問看護サービスを依頼することになりました。
では、実際に訪問看護でどんなサービスを受けているかについてを家族の目線からお伝えします。
あくまで、我が家がお世話になっている訪問看護ステーションの話だということはご承知ください。
服薬管理は病院との連携も
まず、訪問看護でやってもらっている一番の内容は、病状の確認です。
前回の訪問から今回の訪問までの間、どのように過ごしていたかを聞かれていました。
父親は、疲れやすく、買い物に出かけようとしても、幻聴に邪魔されて困難だったりします。
また、病状がひどいと幻聴の声に惑わされて、大声を出して発狂したりするので、そういうことを報告していました。
その様子を、看護師さんはノートにまとめていらっしゃいました。
父親自身も、病院では緊張してお医者さんには言いにくいことも、自宅の慣れ親しんだ雰囲気もあいまって言いやすくなっている感じはします。
そして、日常生活のお話もしています。本当に普通の雑談です。



私の結婚式の話までしてるって。恥ずかしいよ!
あとは、体温や血圧のチェックです。これは父親が糖尿病なのもあってチェックしてくれているのかもしれません。
体温計や血圧計は、看護師さんが持参してきてくれていました。
また、パルスオキシメーターで体内の酸素濃度も調べてくれていました。
高血圧で降圧剤なども飲んでいるため、あまりにも血圧が低くなってしまっているときには、緊急で翌日にも様子を見に来てくれたりします。
病院とも連携してくれて、薬が効きすぎているときは、連絡して薬の量の調整をお願いしてくれているようです。
外出同行で買い物支援も
さらに、外出支援の一環として、スーパーへのお買い物に連れて行ってくれることもあります。
最初は、そこまで支援してくれるんだと驚きましたが、父親としても助かっているようです。



ただ、ここまで支援してくれる訪問看護サービスはなかなか無さそうな気がする…
精神障害者に訪問看護を頼んだメリットデメリット
もともと他人を信用できない性格の私は、最初、いくら医療従事者とはいえ知らない人を実家にいれるのが不安でした。
しかし、結果として訪問看護を頼んでよかったと思っています。
自宅に他人をいれる不安は、私自身が担当の看護師さんとご挨拶したことで解消できました。
父親は引っ込み思案で、友達もいないので、話をする人間は私しかいません。
娘の私も、毎日電話するようにしてはいるのですが、休日などは時間がとりにくく、電話も短くなってしまいがちでした。
そんな状況で、訪問看護に入ってもらうことによって、父親の話し相手が増えたのはとてもよかったことだと思います。



会話が増えることできっとボケ防止にもなるよね!
症状に関しても、詳しく経過を観察してくださり、主治医とのパイプ役にもなってくださっています。
看護師さんが父親にとても寄り添ってくれているのを感じ、とても感謝しています。
このブログを読んでいる方の中には、精神病患者のご家族で、患者の将来に悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
普通の人でも、一人暮らしになると生活リズムが乱れがちになったりします。
障害があるとなおさら、生活上うまく出来ないことも出てくるでしょう。
その手助けとして、訪問看護を利用することも検討してみてください!
本人の了承が得られるようなら、見守りカメラをつけたりするのもおすすめですよ!
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