統合失調症を家族に持つ人間として、遺伝の可能性は特に気になる問題だと思います。
そこで今回は、統合失調症の遺伝の可能性について考察してみました。
私自身は、医療従事者ではありません。
単に、両親が統合失調症ということで、将来における発症の可能性や結婚妊娠出産に悩んだ一人の子供です。
なので、この記事に書かれていることは私個人の考察に過ぎず、医学的根拠はないことをご承知ください。
気休め程度にこのブログを読んでいただければ幸いです。
両親が統合失調症で遺伝の可能性に悩む
私の両親は、父親も母親も、両親ともに統合失調症患者です。

統失界のサラブレッドがこの私だ!!
母親は、私が小学生の時に自殺して死別したので、父親とずっと2人で暮らしてきました。
その一方で、娘の私は統合失調症にはかかっていません。
精神科への通院履歴もありません。
けれど、両親が精神病ということで、娘の私は、将来自分も発症してしまうのではないかという不安や、結婚妊娠出産を前に隔世遺伝の可能性に恐怖を覚えていました。
父親の統合失調症の原因は子供時代のストレス??
統合失調症は、患者によってその症状も様々です。
私の父親の場合、おもな症状は幻聴で、大声を出して発狂することもあります。
幸い、普段は病識があって、自分で薬もきちんと飲むことができます。
仕事をしていると症状が悪化するので、早々にリタイアして家で大半の時間を過ごしています。
統合失調症を発症したのは、大人になってからのようです。
しかし、症状が悪化しているときには、子供時代にいじめられていた話をよくするので、ストレスの影響で発症した可能性がかなり大きそうです。



ずっと心にため込んでたストレスを吐き出すかのように話してる。
成人してからの何かが、その経験をフラッシュバックさせるきっかけになってしまったのかもしれません。
統合失調症が遺伝する確率
では、統合失調症が遺伝する割合を見てみましょう。


遺伝子がほぼ同じである一卵性の双子が統合失調症を発症する確率は48%だそうです。
私のような、両親とも統合失調症の子供だと46%の遺伝確率です。
ほぼ二分の一の確率ですね。
この数字を高いと思うか低いと思うかは人それぞれですが、このデータだけで不安になってはいけません。
なぜなら、統合失調症は、遺伝子だけで発症が確定する病気ではないからです。
遺伝子以外にも、生育環境や、人間関係など、多種多様な要因が絡み合って発症する病気で、その研究も困難を極めています。
ただ私自身の感覚でいうと、確かに性格などの気質は父親に似ていると感じています。
極度の心配症であったり、他人の目をかなり気にする性格などは私と父親との共通点だといえます。
統合失調症の父親と統失でない私の違い
では、両親が統失で遺伝の確率がほぼ半分もある私が、なぜ統合失調症を発症していないのかを、父親と私を比較して考察してみました。
重ねての注意ですが、私はただの一般人で、何の医学的根拠もないことはご承知ください。
現実逃避がうまい
まず第一に、私がオタクだったから!という理由。
冗談みたいな話で、ふざけているように思われるかもしれませんが、オタクであるがゆえに現実逃避がうまいというのは、かなり大きい要点だと思います。
私は、幼少期から、ジャニーズお笑い声優舞台俳優と、常に誰かしらのファン状態でした。
小学生の頃は、ビデオデッキが壊れたら号泣するほどで、完全にテレビの世界に依存していました。
つまり、病気になる暇もないほどに、好きな人たちを追いかけ続けていたのです。
一方で、父親はこれといった趣味もなく、気分転換もあまり上手にできないようです。
余計なことを考えてしまう時間も多いのかなと思います。



調子悪そうな時は、とりあえず寝とけ!ってお昼寝とかうながしてるよ!
栄養バランスを気にする
次に、私と父親の違いで気になるのが食事からの栄養の取り方です。
私は妊活を始めて、心身の健康における食事の大切さを身に染みて感じました。
私の父親は、統合失調症に加えて、糖尿病でもあります。
それにもかかわらず、甘いものが大好きです。
目を離すとすぐに近所のコンビニで間食として菓子パンやお菓子を買ってきます。
薬の副作用で甘いものが食べたくなるといった影響もあるようなので、あまり強くは言えませんが、毎日おやつを食べています。
その一方で、娘の私は、おやつをほとんど食べません。
幼少期は貧乏でおやつを買って食べる習慣がなかったというのもありますが、大人になった今でも、間食はあまりしません。
普通の家庭で育った夫の方が食後のアイスとかをよく食べているくらいです。
また、父親は炭水化物の摂取も多いです。
父親は私以上に貧乏をこじらせているためか、白米があったらお腹が膨れるから大丈夫!という考えで、まともにおかずを食べようとしません。
一汁三菜を教えても言うことを聞かずに、お漬物と白米だけで朝ご飯を済ませたりしています。
炭水化物が悪いというわけではなく、ちゃんとおかずも増やしてバランスよく食べてくれればいいのですが、なんせ言うことを聞いてくれません。
最近は、宅配弁当を見つけたので、たまに頼んであげたりしています。
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栄養バランスの整った献立が気になる方は、こちらの記事も参考にしてください。
【ストレス軽減】献立が思いつかない…決め方のポイントがわかるおすすめ本特集!
プロラクチンと葉酸代謝遺伝子
妊活を始めて、私は高プロラクチン血症であるということが発覚し、ドーパミンに作用する薬を渡されました。
気になって調べたところ、プロラクチンはドーパミンによってその分泌が調整されるのですが、私はドーパミンが少ないために、プロラクチンが出すぎてしまうようでした。
一方で、精神病の薬の影響で高プロラクチン血症になる方もいることがわかりました。
精神薬でドーパミンが抑えられすぎた結果、プロラクチンが出すぎてしまうようです。
ということは、統失ではない私はもともとドーパミンが出にくい、統合失調症の父親はドーパミンが出やすいという違いにたどり着きました。
どうして親子でこんな違いが出るのかはわかりませんが、私が統失を発症しないことともなにか関係があるのかもしれません。
また、妊活をするにあたり、葉酸について調べていたところ、天然葉酸と合成葉酸があり、人によっては合成葉酸を代謝しにくい体質であるということを知りました。
葉酸の代謝には代謝遺伝子が関わるということで、私は、葉酸の代謝遺伝子について調べてみました。
すると、一番葉酸の代謝が苦手な体質だということがわかりました。
遺伝の法則までは調べていないのですが、劣勢と劣勢の遺伝子を引き継いだ結果が私なのだとすれば、両親も葉酸の代謝は苦手そうです。
葉酸は、神経伝達物質の合成に関わりがあります。
葉酸欠乏と精神疾患の研究も進められており、その動向が非常に気になるところです。
精神より身体にストレスが影響する
後述しますが、一度、思春期の頃に完全にメンタルが落ちていた時期があるのですが、精神科への抵抗感から病院へは行かず、自力で立ち直りました。
その後も、父親の姿を反面教師にしていたこともあってか、精神科のお世話になることはなく生活していました。
しかし、社会人になると、みんなの嫌われ者だったお局様のターゲットになりいびられ始めます。
この時は、かなりのストレスを受けていて、このままだと両親と同じようにいつか精神を病むんじゃないかと恐怖でした。
しかし、精神病になることはなく、その代わりとして、ストレスの影響が全部身体に現れました。
円形脱毛症に始まり、過敏性腸症候群や機能性胃腸症もやりました。



全部ちゃんと治ったけどね!!
身体にはかなり影響が出ましたが、精神は無事でした。
それは、私がストレスを感じたときに、自分を責めてしょんぼり落ち込んでしまう性格ではなく、相手に対して何言ってるんだ!?と怒りをためる性格だったことが影響している気がします。



相手に直接はキレないけど、殴り倒す夢をよく見てたよ!!
そして、父親にめちゃくちゃ愚痴ってストレスを吐き出していたのもよかったことだと思います。
私も思春期は、自分も精神病なんじゃないかと疑わしい時期もありましたが、きちんと乗り越えて、現在に至るまで精神科の通院歴もなく、無事に生きています。
今では完全に開き直っており、「両親統失なのに、ここまで気楽に生きてる人間すごくない!?」と夫に自慢しているくらいには強くなりました。
統合失調症は隔世遺伝するのか
統合失調症患者を親に持つ家族が結婚を考えるとなると、相手の家族から反対されることを恐れる方も多いと思います。
結婚を反対される原因として主に考えられるのは、孫への隔世遺伝の可能性と親の老後の面倒が懸念材料だと思います。
私も、子供(父親から見て孫)への隔世遺伝が怖く、妊娠出産に悩んだ時期もありました。
その悩みを素直に父親にも伝えると、父親から主治医に相談してくれました。
主治医いわく、研究論文でも色々な意見があるし、遺伝するともしないとも、現段階では何とも言うことができないと言葉を濁していました。
お医者さんの立場で、遺伝の可能性を明言するのはかなり困難だと思うので、はっきり回答できないのは当たり前だと思います。
先述の遺伝の確率の表だと、孫は5%の確率です。
一般人だと1%なので、その5倍の確率になります。
なので、私としては、統合失調症になることが確定する遺伝子があるのではなく、なりやすい性格を持つ遺伝子を引き継ぎ、かつ同じような環境で育つと、精神疾患を発症しやすいのではないか??という考え方を信頼することにしました。
遺伝と環境、両方の因子が統合失調症の発症に影響を及ぼすんだと思います。
また、結婚を反対される原因のもう一つ、親の老後の面倒についてですが、こちらも私は事前に対策を講じています。
大したトラブルもなく、無事に結婚生活を送ることができているので参考にしてください。
また、私が結婚にいたるまでの間、どのようにして彼氏に親の精神病を伝えたかはこちらの記事をご参考ください。
【経験談】複雑な家庭環境をいつ彼氏彼女に告白するか?【恋愛&結婚】
統合失調症患者が妊娠出産を望むなら
統合失調症の患者さん自身で、結婚や妊娠出産に悩む方も多いと思います。
そんな方に、両親が統合失調症の家庭で育った私から一つ個人的なお願いがあります。
結婚は、双方の同意があれば自由ですが、妊娠出産となると、子供の人生がかかっているので慎重になっていただきたいです。
私からのお願いは、子供のために、セーフティーネットを用意しておいてほしいということです。
私は、両親が精神病であることを他人に言ってはいけないと思ってしまい、ずっと一人で悩みを抱えていました。
私の昔話ですが、さすがの私も、自宅で発狂する父親とずっと一緒の空間にいて、完全に平気だったわけではありません。
中学生の頃に、人生が嫌になって、自殺しようと家出をしたことがあります。
結局、私には死ぬ勇気もなく、自分の足で家に帰りました。
学校の先生に、家出の理由を問われましたが、父親の病気については言うことができませんでした。
精神病のことは誰にも言ってはいけない話だと思っていたからです。
すると、私自身へ精神科の通院をすすめられましたが、私は病院を受診しても、何の解決にもならないと思って拒否しました。
精神病にかかっていたとしても、私が生まれたことから無かったことにしなければ、何も意味が無いと思っていました。
それこそ、受精する前からやり直したいと、その頃は常に考えていました。
誰かに助けを求める方法もわからず、一人で抱え込んでいました。
結果として、自分の病気のせいで娘が自殺未遂をしたと父親を悲しませただけでした。
私は親戚からも父親の病状について説明を受けておらず、父親の病状がひどい時にも、誰にどうやって助けを求めたらいいのか、まったくわかりませんでした。
私の経験談ですが、ひどい言葉だという自覚はありながら、私も我慢の限界がきて、父親に
「育てられないなら、最初から産むな!」と言ってしまったことがあります。
言った私も言われた父親もつらかったです。
なので、子供がつらいときには、周りに助けを求められるようにしてあげてください。
家族もお医者さんに相談できるように、普段からコミュニケーションを取っておくのもおすすめです。
現在、症状が軽めの方も、念のため、働けなくなったりしたときのことを想定して、動いておくのがおすすめです。
自分の両親からの援助だけではなく、公的機関の金銭的援助などを探しておいてください。
病院には、精神保健福祉士という、生活面での相談にのってくれる方もいらっしゃいます。
健康な方であっても、子供を育てるのはとても大変です。
そのうえ、病気を抱えたままだと、辛いことがほかにもたくさんあると思います。
その時は、一人で抱え込まず、周りを頼るということを決して忘れないでください。
病気であることが、あらかじめわかっているのだから、いくらでも対策の立てようがあります。
周りの方々と一緒にみんなで協力して、幸せな家庭を築いていってくださいね!
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