統合失調症の父親がいる私は、結婚のため実家を出ることが決まったので、父親が問題なく一人暮らしできるように試行錯誤しました。
万全な対策を整えたおかげか、実家を出てから数年たつ現在も、特にトラブルもなく無事に生活できています。
そこで今回は、統合失調症の家族を持つ方向けに、老後の一人暮らし支援策をご紹介します。
統合失調症の家族、ヤングケアラーの負担
私は父親も母親も両方統合失調症の家庭で育ちました。
どうしてそんなことになったのかというと、病院で両親が出会って結婚したからです。
そして、私自身は統合失調症を発症することもなく、精神科へ通院したこともありません。
母親は自殺して死亡したので、私が小学生の時から、父親との二人暮らしが始まりました。
私の父親の場合、おもな症状は幻聴です。
また、症状が悪化すると、大声を出して発狂します。
しかしながら、幸いにも娘の私に危害を加えることはなく、大半が一人で怒鳴り散らしているだけです。
統合失調症の家族との関わり方がわからなかった私は、そんな時は、できるだけ空気になって気配を消していました。
たまに攻撃的になって、私に向かって怒ってくることもありました。
でも、その原因の大半は私が父親を煽ってしまうことでした。
精神病の父親と暮らす私のストレスがたまる⇒親にストレスをぶつける⇒ストレスを受けた親の病気が悪化するという悪循環を繰り返していた時期です。
私が成人になるまでは、父親は子供の面倒を見ないといけないと考えて、意地でも入院してくれなかったのですが、私が社会人になると、言うことを聞いてくれるようになり、一年に一回程度のペースで入院もしていました。
入院させることで、娘の私も少し一人で落ち着く時間が生まれ、こちらの心の余裕も出てきました。
病院から渡された書類には、入院目的に、家族の療養という項目もあったので、しんどい時はもっと早く病院に直接助けを求めればよかったです。
私の状態は、最近よく聞くヤングケアラーという状態に近かったと思います。
辛い時期も長かったですが、父親の病気が悪化しているときは、受け流すようにすることを覚えてからは、だいぶ気が楽になりました。
たまにこちらに向かって攻撃的に何か言ってくることがあっても「わかったからとりあえず頓服薬飲んで寝て」と昼だろうが夜だろうが睡眠を促していました。
1時間でも寝ると少し落ち着くようでした。
また、父親の仕事に関してですが、父子家庭になった当初は、頑張って働いてくれていましたが、だんだんと症状が悪化し、ついには働くことさえできなくなりました。

仕事に行くと症状が悪化してたから、いっそのこと働くことをあきらめて、家でおとなしくしてもらうことを選んだよ。
できる家事も最低限で、ほとんどの時間を家で寝て過ごしています。
結婚で統合失調症の親の面倒が見れない
家族が統合失調症だと結婚できないのではないかと悩んで泣いた日々もあったのですが、無事に理解のある相手と結婚することができました。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【経験談】複雑な家庭環境をいつ彼氏彼女に告白するか?【恋愛&結婚】
結婚が決まるとなると、実家を出ないといけません。
ただでさえ父子家庭の一人娘です。実家を出るとなると精神病の父親が心配でした。
人によっては、面倒を見ること自体を辛く感じてしまう方もいると思います。
そんな方は、自分を大事にすることを優先して、あまり無理をしすぎないようにしてください。
私は、父親の病気でない普通の状態の時は優しく、娘の私を第一に考えて行動してくれる姿を見ているので、見捨てるわけにはいきませんでした。
また、父親の病状が、幸い家の中だけで一人で発狂しているタイプで、私をはじめ他人に危害を及ぼすことはほとんどなかったのも、見捨てることなく頑張って支援しようと思えた理由です。
私は、そろそろ結婚しそうだなと思った時から、父親に対していくつかの対策を講じました。
統合失調症の一人暮らしに必要な支援
公的な支援としては、父親は障害者手帳を持ち、障害年金も受給しています。
障害等級2級の判定を受けています。
といっても、2級になったのは私が成人してからで、それまでは3級でした。
高齢になるにつれて、症状もマシになって、一晩中発狂しているということや、私に向かって攻撃的になることも減りました。
外出しても、空笑をするくらいで、他人に直接危害を加えることはありません。
幸い、病識もあるので、自分で時間通りに薬を飲むことができます。
しかし、私の父親は、仕事どころか家事もろくにできません。
同じ統合失調症の人と比べると、まだ病識もあり、日常生活もできている方だとは思いますが、健康な人からしたら、全然足りていないレベルです。
しんどそうにして、寝てばかりいる時間も多いです。
また、現状では、抗精神病薬の服用と、病院併設のデイケアへの通院をしています。
統合失調症だからか料理ができない
まず、父親は料理ができないので食生活が心配でした。
食事は、父親は炊飯器でご飯を炊くことはできますが、おかずまで作るのは少し困難なタイプです。
そこで、スーパーでできたてのお惣菜を買ったり、外食をしています。
私もたまにネットで買える冷凍のおかずセットを購入してあげています。
父親曰く、一番おいしいのはこちらのAmazonで購入できるおかずセットです。
冷凍おかず弁当14個セットBB 銀座萌黄亭 自然解凍で食べれる
近所に外食ができるお店も多数あるので、併用して充実した食生活を送っています。
統合失調症だからか金銭管理ができない
もう一つ心配だったのは、金銭管理ができないことです。
以前は全く金銭感覚ができておらず、浪費癖もありました。
しかし、このままではダメだと思った私が、根気よく指導を続けた結果、今では自分でちゃんと管理できるようになっています。



私も新しい家庭に入るし、金銭的援助をするつもりはない!夫にも申し訳ないし、絶対にお金は支援しない!!
私が決めた統合失調症の親の金銭管理方法は、
- 銀行から現金を引き出していい日を決める。
- 1週間分の計画表を書かせる。
この2点です。
毎週火曜日を引き出し日として、どのくらいの金額を何のために出金するのか紙に書いてもらっていました。
1月1日~7日の予定
- 食費 〇〇円
- 日用品 〇〇円
- 病院代 〇〇円
- 交通費 〇〇円
みたいな感じです。
父親の日々の行動パターンは決まっていて、使うお金にもさほど変化はないので、比較的簡単でした。
洋服や靴を買いたいなど、イレギュラーな出費をしたいときは、娘の私への報告制にしています。
とはいえ、うまく頭が働かないようで、最初は、1週間分書くのに、とても時間がかかっていました。



思考に時間がかかるのは病気のせいなのか、もともとの素質なのかどっちなんでしょう??
めっちゃイライラしたけど、気長に待った。自分でやらせるのが大事!
父親は根が真面目だということもあり、毎週実直にやってくれています。
そのうち自然と、1ヵ月でどのくらいのお金が必要で、使っていい額はいくらなのかを自分で計算しだすようになりました。



今では貯金も出来てるよ!私と旅行するんだって!
以前は毎週私が出金予定表をチェックしていましたが、今ではまかせっきりにしています。
たまに通帳のチェックだけして、無駄遣いをしてないかを把握しています。
訪問看護や見守りカメラも活用
また、父親が一人暮らしになると言ったら、主治医にすすめられて、週に1回の訪問看護を受けています。
とてもよく対応してくださっていて、めちゃくちゃ助かっています。
そして、実家には見守り用の監視カメラも設置しました。
こちらも非常に便利で設置してよかったです。
【レビュー】高齢の親の実家一人暮らしが心配で見守りカメラ設置【スマカメ2】
さらに、父親は友達がおらず、私がいないと話し相手もいないので、平日は毎日電話をするようにしています。
ポケベルどまりスマホ無理な高齢親にLINEの使い方を教え込んだ
このように、数多くの対策を講じることで、娘の私が実家を出て統合失調症の父親が一人暮らしになっても、無事にトラブルなく生活することができています。
統合失調症は人によって症状も様々ですし、私の講じた対策がすべての方に通用するわけではありませんが、親の面倒が見れないと困っている方へ少しでも参考になれば嬉しいです。
コメント
コメント一覧 (2件)
すごく参考になりました!ありがとうございます。私の父も統合失調症で、私は今年の3月に結婚し、父は一人暮らしをしています。
父は機嫌が良くニコニコしている日もあるのですが、イライラしており私は怒られる日もあります。今日はそのイライラしている日です。怒ったりイライラしている時に、わたしはどう対応していいのか分からなくなります。心配で落ち込んでしまうため、主人にも心配をかけてしまいます。もっと強くなりたいです。
わこぺんさんのこのブログが励みになりました!ありがとうございます。
コメントありがとうございます!そのように言っていただけて私も嬉しいです。
人によって症状も違いますし、家族としてはどう対応すればいいか困ってしまうことも多いですよね。
あまりにも辛ければ、病院によっては家族会があったり、精神保健福祉士の方に相談もできたりするので探してみてください。
親御さんも大切ですが、りなさんの人生も大切なので、新婚生活も楽しんでくださいね!